車いすパパつくねの「日々リハビリ」

終わらんかと思った(涙) 初めてのハセツネ。17時間53分で完走

2013年10月13日(日) 。
天気は雲ひとつない晴天。
夏が落し物を取りに戻ったかのような暑さです。
場所は東京。あきる野市五日市会館。
ハセツネCUPの日です。

思えばハセツネ。
大学生の頃に知り、漠然といつかは出てみたいなぁと思っていた憧れのレースです。
トレイルランニングを始めて9ヶ月。
まさかこんなに早くこの大会にでられるようになるとは。
やればできるもんです。

さて、僕の周りにはトレイルランニングを知らない人ばかりなので、
ハセツネについて、簡単におさらいしておきます。

ハセツネとは

奥多摩の山の中を走る、山岳マラソンで、今年で21回を迎える伝統あるレースです。
走行距離71.5km、累積標高4800m。
スタートは13時、制限時間24時間。
補給は1回. 水1.5Lのみ。
0次関門と呼ばれる先着順のWebエントリーは10分待たずに定員に達する超人気ぶりであり、今回は約2,800人がエントリーしました。
優勝者のタイムは7時間19分(今回、記録更新) !
1キロあたり、6分強で走る計算です。
お昼にスタートする事から開始5時間程で夜を迎えるこの大会。
そのほとんどが、夜の森を走る事になる、夜闇の大会ハセツネ。
トレーニングを積んだ選手でもリタイアが耐えない、魔物が住む大会と言われています。

僕にとっては初の70キロ。そして初のナイトランです。
結果、2013年10月13日(日) 13時にスタートし、
約18時間後の翌日、朝7時に無事ゴールすることができました。
ここに、話のネタ用に情報を整理しておきたいと思います。

スタートまで

ハセツネ完走者のほとんどが、電車のない時間帯にゴールします。
当然、電車は走っていない為、始発までの間は体育館で仮眠をとる事になります。
そこで重要になるのが体育館の場所確保です。
僕が体育館に到着したのが8:30ごろ。
既に中学校の体育館はいっぱいで、小学校の体育館へ回されました。
さすがに、ここはガラすきでしたが、1時間後には9分の入りになり、10時には足の踏み場もないほどになりました。

8:30の状況

9:30の状況

受付は10時から始まります。
「山岳保険」「案内封筒」の提示が必要です。
僕は山岳 保険のカードを忘れたため、会場にあったJIROのブースで再発行してもうことができました。

受付でもらったのはゼッケンバンドとお米です。
ロングトレイルでは、服を着替える事もあり、バックルひとつでゼッケンを取り外せるゼッケンバンドは重宝します。
もちろん、お米も。。。

そんなこんなでゆるゆるやっていると、開会式が始まります。
偉い人の挨拶や、優勝旗返還、そして、エアロビ体操に、エイエイオーとやって、スタートです。

スタート〜 第一関門 「抜かれる勇気」

スターして数分。
落し物が見えました。
サロモンのソフトフラスクのようです。
拾える状況ではありませんでしたが、落とした人も戻る事すらままならない渋滞ぶりです。
中身はジェルが入っているのでしょうか。
気が気でなりません。

実は僕も2回ほど同じソフトフラスクを落とした事があります。
中身がなくなると小さくなって良いのですが、形が安定しない為、落ちないようにするのにひと苦労です。

ましてや中身はベトつくジェル。
ポケットにも入れられません。
1つ2,000円以上もする事もあって、ソフトフラスクはやめました。

水と補給食は慎重を期さなければなりません。
そんな長い長い渋滞は醍醐丸あたりまで続きました。

それもそのはず。
今回のエントリー者は昨年から増加し2,800名となったとの事です。
ここは体力を温存する他ありません。
醍醐丸を越えた辺りから比較的ばらけるようになりました。

周りには息も絶え絶えな方も目に付きます。
序盤も序盤です。
ここでは「抜かれる勇気」が大切だと感じました。

第一関門〜第二関門 「ロングトレイルの洗礼」

第一関門到着前に、周りが暗くなってきました。
森の中なので下界よりも早く準備が必要です。
ワクワクしながらライトの準備を始めます。

すぐに夜の帳が下り、第一関門到着。
ここからストックを使うことができます。

僕も3つ折りのストックを出し、ポールを継ぎますが、伸びるはずのパイプが伸びません。
一生懸命引っ張って、ねじって、たたいて、やっとこさ伸びたパイプは、白く粉を吹いていました。
アルミのサビです。
そういえば、先日の大会の後、ポールが汚れたので洗って干していました。
オイルをつけておこうと思いながらそのままにしてしまったが為、こうなったワケです。
手入れは大切です。

ここからは、比較的自分のペースで走れる様になりました。
気をつけるべきことは
「しっとり路面」と「縦筋根っこ攻撃」です。

奥多摩山系は霧がよく出ることもあり、夜になると路面がしっとりしてきます。
日中では滑らない路面でも滑ります。
特に危険なのが、谷に向かって伸びる縦筋根っこ。
これに足を乗せるとツルリと足を払われます。
足元の暗さも加わり 、気が抜けない区間です。

第一関門以降、猛烈な渇きを感じるようになり水を飲むようになります。
考えられるのはライト準備の時に食べたソイジョイ(キャラメル味) 。

やっとの事でたどり着いた三頭山山頂でハイドレーションを触ると、
ん?ん?ん?ペタンコ???ん?
まさかと思い、ザックを下ろすとハイドレーションはカラでした。

残る水は、ハイドレーションから飲み口まで繋ぐホースにあるだけ。
一瞬、リタイヤがよぎりましたが、給水のある第二関門まで2時間の距離です。
み〜ず♪み〜ず♪と声を出しながら、水の為に走りました。

併せて、この頃。
身体がジェルを受け付けなくなりました。
これを飲まなければ、ハンガーノックになると分かっていながらも、パッケージを手に持っただけで、胃がムカつきます。
4種類のジェルがあったのですが、手に持つパッケージを変えるごとにムカつき具合が変わる事に気づきました。
中でも梅味のパッケージを持った時のムカつきは最高潮でした。
バナナ味を持つと少し収まりました。
意を決してバナナ味を喉に押し込み、なんとか気持ちを繋ぐ事ができました。
ロングトレイルでは胃がおかしくなる、とよく聞きます。
先日の50kmでは問題なかったのですが、これからはじまる本格ロングトレイルへの洗礼でしょうか。

第二関門〜第三関門 「終わりなき旅」

何とかかんとか第二関門の月夜見第二駐車場に到着。
ここでは1.5Lの水またはスポーツドリンクをもらうことができます。

僕はとにかく水が飲みたかったので、ハイドレーション全て水を入れてもらい、その場で500mlほど飲み干しました(途中で水場があることを知っていたので)。
そしてべスパを飲んで、ジェルの入れ替えをして、再度スタート。

しかし、涙目です。ホント。この区間は。
とにかくこの区間、山が大きく感じます。
登りは長く、フラットも長い。
そして、下りは急、かつ長いのです。
空は森に覆われていて、星も見えないし、景色も見えない。
まさに「修行」です。

そんな山の中、僕の唯一の楽しみは「快適な仮眠場所探し」でした。
1回は5分程度の短いものですが、10回以上仮眠をとったのではないかと思います。
重なると約1時間程度のロスですね。
でも、僕の実力では仮眠も大切なプロセスだと思います。
そんなこんなの亀の歩みで72kmを乗り切りました。

しかし、この仮眠。
かなり気持ちいいんですねぇ。やめられません。
最高の非日常感、とでも言いましょうか、後半は、仮眠場所を探しながら走るのがひとつの楽しみでもありました。

仮眠の目的は「呼吸を整えること」にあります。
登りで上がった呼吸をおさえるために、木をまくらにし寄りかかるようにして、膝を立てて休憩します。
(ライトは必ず消します)
自然と寝てしまうのですが、力が抜けきると膝が横に倒れ、目が覚めます。
そして、おもむろに立ち上がりレースを再開します。

この間、およそ5分。
風があれば寒さで目が覚めます。
こうして時を過ごすと、自分が一匹の動物になった気分がします。

真っ暗間のなか、目を覚まして耳をすませると、山路を走る人たちの音が聞こえます。
その行列が過ぎると、訪れるのは静寂の森。
またしばらくすると、遠くからチリンチリンと熊鈴の音がし、前を通り過ぎます。
みんながんばってる。
僕もがんばろう。
そんな力が身体にみなぎり、また少し頑張る事ができます。

そんなことの繰り返しでした。
遅くとも一歩を踏めば、いつかはつくさ。
そんな気持ちだけが支える、終わりなき第二〜第三関門でした。

第三関門〜ゴール 「晴れてランナー」

大岳山を登頂。
夜空が綺麗でした。

もちろん少し寝ました。
ここからは、周りのランナーも心なしか元気に見えます。
山の上から、街の光が見えたからでしょうか。

ペース良く下るグループを見つけ、ひたすら食らいつきます。
当然といえば当然なのですが、ここまで疲労を積み重ねた身でも、走れるんですね。
筋肉の状態を感じていると、フラット走、登り、下りとそれぞれ使う筋肉が異なります。
ガッツリフラット走ができるのはこの区間が初めてだったので、足が残っていたのでしょう。

辛いながら気持ちのいいランニングを重ねます。
そうこうしているうちに、第三関門に到着します。

調子良く走れているのでここはスルー。
日の出山を登ると、あと少しで朝日が登りそうな状態でした。行くか、行くまいか。
悩みましたが、行くことに決めました。

そして下りだした瞬間、今までなかった右足の腸脛靭帯が痛み始め、併せて右足裏にも痛みが走ります。
おそらく、痛めていた左足をかばったツケが来たのでしょう。
でも、残りは金比羅尾根の下り基調です。
走ろう、と頑張りましたが、頑張り切れず、残り10kmにして早足で歩き続けました。

その頃から元気に走るランナーが目立つようになりました。
なんでだろう?と思いつつ歩いていると、僕を抜かした2人組が、
まだ17時間台は行ける、と話しているのが聞こえました。
そうか、この走っている人達は17時間台を狙っているのか。

おし!ついて行こう!

「最後、俺、がんばるわ!」

痛む足に意向を伝え、残りの5kmを頑張って2人について走ります。
走り出すと意外といけるものです。
そう考えると、それまでは気持ちが負けていたのだと感じます。
前を行くひとりが「あと2キロ!キロ9分で17時間台行ける!」と言いました。

どこかのサイトで書いていたことを思い出しました。
「残り2kmは魂で走れ」

邪念はありません。
魂で走ります。

きついきつい下り坂を抜け、ロードを走り、左に折れた瞬間、ゴールが見えました。

と、そこに応援に駆けつけてくれてたR-09唯一のトレイルランニングメンバー、ミキティーが!
帰ってきたよー!
15時間って言ってたけど、待たせてすんません。

結果、17時間53分でゴール。

最後、魂で走ったので、爽快でした。
下山からゴールまで、ロードが少なくて助かりました。

しかし、終わってよかった。。。

終了後

今回、初めてアイシングをしました。
前回の、上州穂高スカイトレイルで痛めた足を診て貰いに行ったスポーツ整形の先生にアイシングはしないとだめ、と言われたからです。

使ったのはコールドシート


フィジールファーストキット

コールドシートはなぜだか持っていて、使ったことがなかったので使ってみました。
フィジールはアートスポーツでハセツネ用に買いました。

感想は、フィジールはめっちゃ冷える。
20分を限度にしてください、と説明書には書いていましたが、10分で全身が冷えました。
そして、気化熱を利用して冷やす仕組みのため、足に巻くバンテージがウェットになっています。
そのため、つけたままズボンを履くといった使い方はできそうにありません。

逆に、コールドシートは、無理に冷やさず継続的に熱を取ってくれている感じです。
つけたままズボンを履くことも可能です。

使い方としては、大会終了後にフィジールでガツンと冷やして、コールドシートで継続的に熱を取り続けるのがよさそうです。

アイシングをしたのが良かったからか、翌日から今まで、筋肉痛は、全くありませんでした。
やっぱり必要なんですね。

そして、家に帰って6時間。夜から6時間寝ました。
翌日の会社は、すっきり、元気に行くことができました。

はぁ~。
ハセツネ楽しかった。

来年3月の伊豆トレイルジャーニーも当選ました。
STYも当選しないかな。
100マイル目指して着々と歩みを進めていきます。

[sankakuten]
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