雨のストライダー夜練でのできごと

出る直前に土砂降りの雨。
イッセイとは朝から練習に行く事を約束していて、保育園から帰ってきてもウキウキで行くつもりだったから、無理しても行くことにしました。

しかし、車椅子の人間にとって、雨の日の外出はとてもハードルが高いんですね。
加えて3歳の子供を連れてとなると、かなり気合がいるし不安ばかりなのです。
でも、チャレンジしなきゃできる事は増えないのです。
気持ちを固めて、カッパを来て、車で出かける事にしました。

現地に到着した時は小雨。

イッセイを下ろして、車椅子を下ろして、ストライダーを下ろして、練習場所に移動すると、バラバラバラバラ!と、またもや土砂降りの雨の音。
雨雲レーダーを見ると、どうやらこの辺りだけっぽい。これはやむまで帰れないぞ。

かろうじて屋根になっているスペースがあるので、子供達はそこで練習をすることになりました。まずは体操、そして8の字練習です。

僕はというと、トイレに行きたいのです。
雨雲レーダーでは後20分でやみそうな雰囲気です。気を紛らわせながら待つことにします。

が、20分たっても結局雨はやまず。
しかたなく雨の中車椅子をこいでトイレに行くことにしました。

そして、なんだかんだしている間に1時間がすぎ帰宅の時間となりました(練習ほとんど見られていない)。

子供達はスタート練習をしていたので、イッセイに「あと3本やったら帰るよ」と声をかけます。

しかし、3本過ぎても戻ってきません。
まぉ、それくらいは想定通りですね。

仕方がないので、そばに行って大きな声で「帰るよ!」と言ったら、無視してスタートの列に並びに行ってしまいました。

この振る舞いはイカンぞ

戻ってきたらイッセイの腕を取り、帰る旨を伝え、ストライダーを膝に乗せて、そそくさと帰る準備をしました。

しかし、イッセイはこちらに来ず、無の表情で立ち尽くしています。

なんだ、この感じ?

近くに寄り、お約束したよねと話をしていると涙をポロポロ流しながら「もうちょっとやりたかった」と話しました。

こちらとしても、最後まで楽しんで欲しいのはやまやまなのですが、最後までいると寝るのは22時を過ぎてしまいます。さすがにそれは避けたいので、仲間のパパさんにも手伝ってもらって、帰る準備をし帰宅の途につきました。

帰って妻にこの話しをしました。

妻はお風呂でイッセイに、なんで約束守れなかったの?と聞いてくれていました。

そうすると「何度もスタートで負けてた友達に勝ちたかったの」と答えたそうです。

なんと、勝つためにチャレンジしたかったのだそうです!?

それ先に言ってよ〜。
そんな事なら何とか考えるのに。

っと言うのは後の祭り。しかし、大人としては、それを言い出せる状況にしてあげられなかった事に反省です。

約束を守らなかったのは事実ですが、有無を言わさずストライダーを取り上げ、理由を言う隙を奪っていたのです。

「なぜ、約束を守れなかったの?」
そう聞けばよかった。

イッセイは一生懸命に、勝とうとチャレンジしていた。その気持ちは尊重してあげるべきものなのだから。

はぁ〜。

反省。

そんなチャレンジができるほどに、彼は成長していたんだ。

子供だから友達と遊びたいんだよな、そんなレベルでしかとらえられていなかった。

彼は猛烈なスピードで成長しています。それを実感させられた夜でした。

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