2013年奥久慈トレイル50Kの試走に奥久慈に出かけました。
袋田駅の駐車場に車を止め、
60km走る(初)準備をして、袋田の滝近くにあるトレイルの入り口まで走ること30分。
トレイルをスタートしました。
朝6時の奥久慈の森はびっくりするくらい気持ちが良かったです。
緑がきらきらと輝き、椿や藤、桜などが彩りをそえ、
岩からは水が滴り、この一滴一滴が集まって、袋田の滝ができているのだなぁと自然のすごさに感激。
きもちのよい森林風景を堪能しました。
そして、走り始めて約2時間。
それは起こったのです。
天からの水
場所は下りの岩場。
全体的に水がついている岩場であったために慎重に降りていたつもりだったのですが、
「ズリッ」
「パシャーン」
「へ???」
1秒に満たないその間、アタマをよぎったのは、
「滑ったね」
「あれ?背中にクッションが」
「ハイドレーションか」
「1.5Lはいってるからふわふわ」。
そして、なぜだか天から大量の水が降ってきました。
次に、背中がびっしょり。
しばらくしてやっと分かりました。
滑って、背中を岩に打ち付ける前に、
背中のハイドレーションがクッションになって、パンクしたのだろうと。
考えるより先に、荷物を救出し、ハイドレーションを確認します。
1.5Lあったハイドレーションが300mlになっていました。
嗚呼。
予備の水500mlはあるものの、これでは60kmは走れません。
しばらく呆然とし、しばらくの間、コビトさんたちとオハナシしていました。
コビトさんたちは「ハイキングすればいいじゃないの」だとか、
「後半コースならハイキングでいけるよ」と教えてくれました。
ハイキングに切り替えましょうかね。
でも、なぜ天から水が降ってきたのでしょう?
急いでザックの荷物を出して、その理由が分かりました。
キリアンザックとハイドラパック
僕の使っているのは、
サロモン Advanced Skin S-Lab12通称、キリアンザック。
トレイルランニング界のスーパースター、キリアン・ジョルネのいわば、レーサーレプリカです。
過酷なレースを戦い抜くための工夫が随所に盛り込まれており、
どれだけ走っても荷物が揺れない作りは、最高に感謝です。
キリアンザックには標準で1.5Lのハイドレーションパックがついています。
メーカーはハイドラパック。
この世界ではメジャーブランドです。
一般的なトレイルランニング用パックはこのハイドレーションパックをカバンの中に入れる仕組みになっています。
しかし、キリアンザックはひとあじ違います。
キリアンザックは、ベストにカバンが引っ付いたような形をしています。
ハイドラパックは、この、ベストとカバンの間に挟むよう入れる形であり、
いわば、外に出ている状態なのです。
ハイドラパックは、水を入れて上部を折り返して、クリップで留める形です。
これで十分水は漏れません。
今回、滑って転んで、天から水が降ってきたのは、
1.5L満パン入っていたハイドラに急激に衝撃がかかり、
上部のクリップが外れて、水が上に飛び出したのだと思われます。
パンクせずにクリップが外れて圧を逃がす
ハイドラパック社はそうする為に、このクリップ方式を開発したのでしょうか。
ホームページなどでは「車が踏んでも大丈夫」としかPRしていないですが、
速いスピードで車に踏まれた場合は、さすがに普通は持たない気がします(なかなかない状況ですが)。
そう考えると、急激な圧力に対しては何らかの圧を逃す策が必要でしょう。
そうしなければ致命的な壊れ方をしてしまうので、やはりこのクリップ方式が正解なのだろうと思います。
すっころんだトレイルランナーの背中からの圧力は、
ハイドラパックとしてもクリップ解除に値するパワーだったと思います。
そこで、クリップ開放をやむなく決断し、大量の水が放出します。
通常のパックでは、水はカバンの中に放出され、
水を失うダメージだけでなく、全てのものがびしょぬれになるというWパンチを食らわされます。
ましてや甘い系の水を入れていた場合は、目も当てられず(ベトベトになるからね)、
ここからの復帰は並大抵のものではないでしょう。
しかし、キリアンザックは違う
ハイドラパックはカバンの中にはありません。
カバンとベストの合間にあり、上は開放されています。
ゆえに、ハイドラパックから大量の水が放出されても、
それをそのまま天に放出し、最悪の事態を免れることを可能としていたのです。
すごいぜサロモン!キリアンザック!。
このS-Labシリーズは本当にトレイルランナーのかゆいところを、ここちよい力でかいてくれます。
つくねのトレラン道具のサロモン比率がどんどん上昇中です。
ホント、おすすめです。
さて、勉強代はいかほど
ハイドラパックに残った水は300mlほど。
1.2Lほどが天に放出され、上から降ってきました。
でも、荷物には大きなダメージはなく、背中が濡れたくらいで大きなトラブルにはいたりませんでした。
放出されたのは、がんばるときの命の水「MUSASHI」。
痛かったのはオサイフです。
奥久慈までは往復400km。
高速約4,000円
ガス約4,000円
その他2,000円
滑った理由の反省 プライスレス
ハイドラパックのすばらしさ プライスレス
キリアンザックのすばらしさ プライスレス
ブログのネタ代 プライスレス
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合計 10,000円+4プライスレス
良かったのか、悪かったのか。。。
でも、もう一回行かないといけないじゃないのorz