ICI CLUBで行われた「bcaアバランチアウェアネス」に行ってきました。
講師は国際山岳ガイドの近藤謙司氏。
バックカントリーでの注意事項やビーコンの基本的な操作方法などをレクチャーしていただきました。
長らくスノーボードをやっているのですが、バックカントリーに出たい出たいと思いながら、サイドカントリーから抜けきらずの現状。
しっかりとしたバックカントリーに対する勉強はこれが初です。
色々と勉強になりました。
終わって感じたのは、キチンと自然に対する知識と経験を身につけなければ危険だという事です。
それは知識だけではなく、身体の中に自然をしっかりと取り込むと言った方がいいのかも知れないです。
例えば、落ち葉の積もり方を見て、風向きの変化を感じるとか、植物の育成具合から、方角を推測するとか、そんな感じの事なのです。
それは、僕たちは学校では学ばなかったことだと思います。
山の中で暮らしているならいざ知らず、都会に住む人間は意識して学ばなければならないものだと思います。
もっと自然を、地球の事を知らなければならない。
そう感じました。
そして、バックカントリーに出たい人にとって大事なのは「キチンと危険を知ること」「自分で安全なルートを決められるようになること」ではないかと感じました。
危険とは「雪の状態に関すること」「地形に関すること」「人に関すること」があげられます。
それを正しく認識するには、勉強が必要です。
それらを総動員してこそ「自分で安全なルートを決められるようになる」のだと思います。
他人が滑ったラインを「何となく」で滑ることは自殺行為とすら思います。
自分なりの理解、納得がなければ、滑ってはいけないのだと感じました。
さて、覚えた事を残しておきましょう。
雪山の事故
30% 道迷い
30% 滑落
そして、転倒、と続き、その他こまごまあって、2% が雪崩。
道迷いと滑落で60%を占めるということは、雪崩云々よりももっと手前の「地図読み」「天気読み」「体力作り」「歩行訓練」をきっちりとやっておく必要があるということですね。
そして、雪崩で学ぶべき事は「雪崩危険の3要素」として挙げられていました。
雪崩危険の3要素
雪の安定性
地形
人
雪の安定性
雪の安定性については、正直難しいと言われました。
それは、40年研究してきた学者にしても、難しいと言わしめる程のものだからです。
一朝一夕には行かないものではありますが、勉強の必要はあるでしょう。
そして、こんな事も教えてもらいました。
風が舞って溜まる雪は、降雪の10倍で積もるのだそうです。
風で舞う程の雪というのは非常に細かく、重たい雪になります。
新雪の上に風で雪が積もった場合、先に積もった新雪が弱層となります。
つまり、風向き、降雪状況、降雪時間などを総合的に考え、仮説をたてていかなければ、雪の状態は分からないという事であり、上っ面では全く判断ができないと言う事です。
地形
それよりも、学びやすく、分かりやすいのが地形。
雪崩の起こりやすい所から始まり、風向き、植生とこれまた多岐に渡ります。
通常の山の経験がと観察などフィールド経験がものを言います。
例えば、針葉樹林帯と紅葉樹林帯。
どっちが雪崩にくいかというと、落葉しない針葉樹林です。
木が立派に立っているということは視界が悪いため、道迷いの危険も多いとも言えるでしょう。
また、凸状の雪面は割れる危険性がある、
太陽で温められた岩の下から雪崩は発生しやすい、
など、学ぶべき事は盛りだくさんありますが、地形は雪ほど変化しないこともあり、
学びやすいと言う事なのです。
人
昔の人は、雪崩に巻き込まれることごあまりなかったようです。
なぜなら、尾根を降りていたからです。
曰く「沢は雪崩れるから降りない」というのが常識だったからだそうです。
ところが、ビーコンやGPSの進化と共に、行けなかったところに行ける(ような気がする)ようになったわけです。
こういった人間の思い込みや過信が事故に繋がると言う事ですね。
また、いわゆる山のルールなどを知らないというのも雪崩事故の一端です。
例えば「先に滑っている人の上を滑らない」だとか「全員が一斉に滑らない」だとか「待っている人の上で止まらない」とか言うような事です。
経験者からすれば「そんな事やったら危ないだろう!」と一喝されるような事だと思いますが、身体で覚えていないと使えないものですね。
以上が大まかな記録です。
その後は、ビーコンやプローブなどの選び方、そして、エアバッグの実演でした。
エアバッグはぜひ欲しいですが10万強かかります。
お金を貯めて、知識と経験を増やして3年後位にはデビューできたらいいなぁと思います。